「レイ様もですか?」
先ほどの言い方からするとレイ様も例外ではないのでしょう。
場の雰囲気を壊さないように、思い切って聞いてみました。緊張してぎこちなさはあるけれど。
「俺? 俺は違うって言いたいところだけど、一番甘やかしているかもしれないな。甥っ子って無条件にかわいいから、ついつい甘くなるんだ」
なんとも甘やかな表情で紅茶を口にしたレイ様。思わず見惚れてしまいました。
私を見る目が温かくて少しだけ妖艶な色も孕んでいて、いけないと思うのに目が離せなくて……
「ローラおねえちゃんは食べないの?」
甘美な雰囲気に酔っているところへリッキー様の声に空気が霧散してしまいました。
目の前にはケーキと紅茶がセッティング済み。
レイ様に見惚れている場合ではなかったわ。恥ずかしい。
「いただきます」
小さめにカットされているから、これだったらお腹に入りそう。
食べている間は会話をすることもないでしょうから、ちょうどよいかもしれないわ。



