「おかわり」
リッキー様の元気な声が聞こえてきました。
「畏まりました。どうぞ、殿下」
空になった皿を手早く片付けたルーシーの後にケイトがケーキの乗った皿を差し出しました。
「リッキー様。もう、お腹いっぱいでは? あちらでもおやつ召し上がりましたよね?」
「だって、お腹すいてるもん」
目をキラキラさせながら、二つ目のメロンのショートケーキを食べ始めました。
今日の東の宮でのおやつはミルクとクッキー。
夕食も控えているとなると妥当な量だったと思うので、ここでケーキを二個も平らげると夕食は入らないのではないかしら。
「おやつ目当てで遊びに来ているもんだからな。咎める者もいないし」
そういってセバス達側近に視線を移すレイ様。
セバス達は目を合わせないように、顔をあらぬ方向に向けて聞かないふりをしています。その通りなのでしょう。少々、バツが悪そうな顔をしていました。



