グイグイと引っ張られる勢いのまま部屋の中に入っていくと、あっという間にレイ様の前。
椅子に座ったままのレイ様を見下ろす格好になってしまい、気まずくて俯きました。
久しぶりに会うレイ様は、相変わらず見目麗しくて美形な王子様。ドキドキと心臓が脈打ち落ち着かない気持ちで、挨拶をしなくてはいけないのに、それすらも憚れて声が出ませんでした。
「レイおにいちゃん。きれいでしょう」
心の中であたふたしている私の気持ちを知らないリッキー様は、自分の事のように褒めるくださいます。
もしかして、怒っていらっしゃるかもしれないとあの日の無礼な出来事が頭をよぎって、視線が上げられず下を向いていると
「うん。綺麗だね。ローラ、顔を上げて」
レイ様の優しい声に恐る恐る顔を上げるとレイ様が微笑んでいました。
「レイ様、いえ、レイニー殿下。先日の非礼をお詫び」
「ローラ」



