「ローラの?」 空いている部屋をローラ専用のドレッサールームにしている。 「はい。いついらっしゃってもいいようにきちんと整えておくのだと言って、きれいに磨き上げてますよ」 セバスが銀の燭台を磨きながら教えてくれた。侍従のクリスは銀の食器を磨いている。 銀製品を磨くのは彼ら侍従の仕事だから、おかしくはないのだが。 「お茶の時間になさいますか?」 「いや、いい」 別に喉が渇いているわけではないから必要ない。姿が見えなかったから聞いただけだ。 ローラがいつ来てもいいように……