「親しくするのもほどほどの方がよいわよ。何事も距離感が大事ですからね」
「距離感?」
「そう。彼女は一言でいうと困ったちゃん、なのよね。扱いやすくもあり、扱いづらくもあり……」
なんとも曖昧な忠告。
そんなに厄介な相手なのかしら?
私と違ってそつなく人付き合いもこなせているディアナでも苦手な相手がいるなんて。思わず、まじまじとディアナの顔を見てしまったわ。
「いろんな人がいるわよね。まあ、いつものフローラで大丈夫よ。わたしもいるしね」
ディアナは肩を竦めてうっすらと笑みを浮かべました。
これは心して対応しないといけないかもしれないわ。ちょっと、身構えつつ待っているとトレイを抱えたビビアン様がやってきました。



