「さあ、開けてみて」

 急かせるように催促するディアナにますます疑問符を浮かべながら、リボンを解いて包装紙を開けました。そして現れたのは、箱の中におしゃれに収まっている二枚のハンカチでした。

 一枚は純白のハンカチ。
 もう一枚は翡翠色で縁取りした淡いグリーンの綺麗なハンカチ。隅に百合の花の刺繍が施してありました。
 百合は蝋封にも使われています。何度も何度も目にした花です。
 レイ様の庭園にも咲いていました。
 
 気づいた時にはハンカチを撫でていました。
 鼻がツーンとして目頭が熱くなり泣きそうになります。ディアナがいる前で泣くわけにはいかないので、グッと我慢しました。

「誰からなのか、分かった?」

「……レイ、様?」

「そうよ。レイニーからよ。彼も心配していたわ。早く良くなってほしい。また、元気な姿を見せてほしいって言ってたわよ」


 また……次もあるの? 

 会って下さるの?