「ええ。旦那様の言う通りでしたわ。そして、まあ……ビビアンと並んだ時の美しさったらありませんでしたわねえ」
その時のことを思い出したのか、お母様はうっとりと感嘆のため息をついている。
「周りも見惚れておったな。美しい。美麗なカップルだと、お似合いだと口々に言われたな」
「そうですわ。レイニー殿下とビビアン。これ以上のお相手はいないだろうと皆さんから褒めて頂きましたわ。親の欲目ではなく、今回一番輝いていたのは、ビビアンでしたもの」
「レイニー殿下も何人かの令嬢と踊っていらしたが、やはり、殿下の美貌に引けを取らないビビアンが一番似合っていたのは周知の事実。よい機会に恵まれたものだ」
お父様も意気投合して話がだんだん興に乗っていってるわ。あけすけな物言いで本人の目の前で隠しもしないのは、お酒が入って気が大きくなっているせいかもしれない。



