「僕はシュミット公爵令嬢とは面識がないのだけれど、それでも同席したいのかな?」
ディアナの後ろに立っていた公爵様がゆっくりと口を開きました。鷹揚な態度を崩さない公爵様はそこはかとなく威厳があり、冷気を纏った清廉な雰囲気があります。
「……」
図々しくお願いしていたビビアン様も公爵様の一言で黙りました。
爵位は公爵ですが、国王陛下の甥なので王家の一員です。しかも陛下の側近でもあるので、機嫌を損ねるわけにはいかないでしょう。
「ディアナとフローラ嬢の友人のようだから、どうしても、というならば同席しても構わないよ。どうする?」
二拓を迫られたビビアン様の顔色が見る見るうちに悪くなっていきます。物言いでは二択などなく一択です。拒否されたも同然のビビアン様は
「お心遣い感謝いたします。わたくしには過分な事と思いますゆえ、これにて失礼いたします」



