「本当はファーストダンスだって、ローラと踊りたかったんだ。二曲目だって、三曲目だって、本当はずっとローラと踊りたかった」
「……レイ様」
突然の告白にすぐに言葉が出てきませんでした。これはどう解釈すればいいのでしょう?
「私もレイ様ともっと踊りたかった。でも……」
言葉を紡ぐ前に人差し指を唇に当てられて、遮られました。
レイ様の長い指が唇に触れて大きく心臓が跳ねます。菫色の瞳が私の心を捉えて体の芯が熱く火照るよう。
ドキドキと逸る心臓の音が耳にやけに響くから、彼に聞こえやしないかと恥ずかしさがこみ上げてきて、ますます、顔が赤くなっていきました。
指を外して下さらないかしら?
このままでは声を出すこともできないですし、指の感触がリアルすぎて、このままでは心臓が壊れそうです。



