「それで、何人の令息と踊ったの?」
終わっていなかったのですね。そんなに気になることなのでしょうか?
「えっ……と。三、四人くらいかと思います」
「そんなに踊ったの?」
驚かれるほど踊ったわけではないのでは? 普通では?
「レイ様だって、たくさんのご令嬢と踊っていらっしゃいました」
「俺は、二、三人くらいだと思うよ。ローラほどではないよ」
「……」
私ほどではないって、一人くらいしか違わないではないですか?
それに確認しただけでも三人は超えていたと思います。列をなすほどのご令嬢相手ですから、二、三人ではなかったですよね。端折りすぎでは。
「ずっと、ご令嬢と踊っていらっしゃったから」
「うん。ローラもずっと誰かと踊ってた」
沈黙がおりて辺りが静寂に包まれた庭園。
二人だけの世界を見守るように星々が輝いていました。



