婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


「それで、何人の令息と踊ったの?」

 終わっていなかったのですね。そんなに気になることなのでしょうか?

「えっ……と。三、四人くらいかと思います」

「そんなに踊ったの?」

 驚かれるほど踊ったわけではないのでは? 普通では?  

「レイ様だって、たくさんのご令嬢と踊っていらっしゃいました」

「俺は、二、三人くらいだと思うよ。ローラほどではないよ」

「……」

 私ほどではないって、一人くらいしか違わないではないですか? 
 それに確認しただけでも三人は超えていたと思います。列をなすほどのご令嬢相手ですから、二、三人ではなかったですよね。端折りすぎでは。

「ずっと、ご令嬢と踊っていらっしゃったから」

「うん。ローラもずっと誰かと踊ってた」


 沈黙がおりて辺りが静寂に包まれた庭園。

 二人だけの世界を見守るように星々が輝いていました。