「洗って返すからね」
「あの……レイ様はやめてくださいね」
「えっ?」
とても心外な顔をされました。
やっぱり。ご自分で洗うつもりだったのですね? なんとなく、そんな気がしたので先手を打ったのですが。
「ローラに洗えるなら俺にもできると思うんだよね。まかせて」
なんだか自信ありげに片目をつむって見せたレイ様ですが、果たして大丈夫でしょうか?
「ん? 私にできるならっておっしゃいましたよね? どういう意味なのでしょう?」
これはちょっと聞き捨てならないような気がしてきました。
「俺、そんなこと言ったっけ?」
「言いました。とぼけないで下さいね。それって、褒めているわけではないですよね」
「ローラだって洗濯したことないよね? 俺と同じで」
「あります。いつも洗濯してますから。布類ですけれど」
レイ様の声にかぶせるように答えました。
研究や料理に使った布などは自分で洗いますからね。ちなみに食器類や鍋とかも洗います。あらぬところに発展しそうなので、これは内緒です。



