婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

 今日のお茶会は、私たちのように母娘で参加している方もいるようです。

 学園で見知った顔を何人か見かけましたが、ディアナの姿は見当たりませんでした。事前にお互いに参加することを確認していたので、来ているのは確かだと思います。

 けれど、広い庭園に大勢の招待客ですし、挨拶まわりで周囲を見渡し探すほどの余裕はありませんでした。

 ともあれ、私の今日の役目は終わったようなので、ディアナを探してみます。

「それでは、お母様。行ってきます」

「ゆっくりしていらっしゃい。あとで、会いましょうね」

「はい」

 私はディアナを探して辺りに目を向けながら、ゆっくりと歩き出しました。


 何度もきょろきょろと周囲を見渡して、目を凝らすように探してみてもディアナは見つかりませんでした。

 もしかして室内にいるのかしら?

 外を探すのを諦めて中へと入りました。