「喉が渇いたわ」
ドリンクコーナーに足を運んでノンアルコールの飲み物を選びました。スティール様とのダンスの後、他の男性からも申し込まれて踊ってしまったから、体がくたくたでした。
もうこれ以上は踊れないわ。
グラスを手にして一気に飲み干しました。冷たい液体が喉を潤してくれて体が生き返ったわ。
会場を見回すと貴族達はダンスをしていたりおしゃべりに興じていたり、ホールは活気づいてにぎやかです。
両親はレセプションパーティーのお礼を兼ねて挨拶回りをと言っていたのであの中にいるのでしょう。
二日間にわたるパーティーは大成功で招待客も公爵家から男爵家までと幅広かったですから、かなりの人数になりました。混乱することなくスムーズに遂行できたのはフェリシア様の手腕があればこそ。
それに加えて王太子妃のアンジェラ様とリッキー様まで参加とあっては、王家のお墨付きをもらったと評判にならないわけはありません。開店を待ちわびている方々が大勢いると聞いています。
これが箔をつけるということだったのねと今更ながら、身が引き締まる思いです。



