会場である公爵家に相応しく招待客も厳選していますし、フェリシア様の意向も入っています。
やはり公爵夫人らしく社交に長けていらっしゃって、人脈も広いですし、パーティー開催の熟練度が全然違いました。とても勉強になります。
「それと料理も作って模擬パーティーも行うから材料も揃えておかなくてはね。あとそれから」
お母様は冊子にペンを走らせ注意点を書き連ねていき、あっという間に空白がなくなってしまいました。当日まで気を抜けませんものね。主催者は大変です。
打ち合わせが済んだ頃、お茶が運ばれてきました。
テーブルの上を片付けてすっきりとしたところでティータイム。
紅茶を楽しんでいると
「やっと落ち着いたみたいね」
お母様が私をジッと見つめていました。
「私って、どこかおかしかったかしら?」
「おかしいというか、心ここにあらず、みたいで落ち着かない様子でそわそわしていたでしょう? いつもは冷静なあなたにしては珍しい行動だったもの」
お母様の指摘に冷や汗が流れます。



