「ローラ? どうしたの? 具合でも悪い?」
心配げに尋ねるレイ様にふるふると頭を左右に動かしました。
これが精いっぱい。
便乗して具合が悪いことにしておけばよかったのかも、なんて頭の片隅で考えていたら、くいとあごを持ち上げられてレイ様の顔が目の前に。
その瞬間、きゃあと声にならない声を上げてさらに体温が急上昇して、思考が停止してしまいました。
菫色の瞳の中に私が映っている。レイ様の中に私がいる。ぼんやりとそれを感じて……
ドキドキと激しくなる鼓動。
呼吸も荒くなってきたみたい。
はあ、ダメ。
これ以上は耐えられない。



