カフェをオープンする前にお披露目パーティー開催準備に大わらわしている最中。アンジェラ様にもお休みを頂いてきたばかりで、そうなるとレイ様にもお会いできないわ。
「そうか。今日も時間がないって言ってたね」
「はい。申し訳ございません」
見るからに残念そうにしゅんと項垂れるレイ様に私も寂しくなってしまったわ。一週間に一度とはいえ、お会いするのを楽しみにしていたから。
「そうかあ。それじゃあ、ピスタチオのお菓子もしばらくお預けかー。あれ、美味しかったから食べたかったんだけどなあ」
「ピスタチオ?」
いつ、作ったかしら?
宮の厨房では作ったことはないわ。
その時にはピスタチオがお好きなことは知らなかったもの。
「あっ!」
怪訝な顔を向けた私に、小さな叫び声をあげて口を塞いだレイ様。



