婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

 
 ひとしきり池のほとりで魚たちを眺めて談笑した後、川に沿って歩いて行きました。

「レイ様、お菓子を作ってみたのですけれど、よければ厨房をお借りしてもよろしいですか?」

「うん、いいよ。いつでも。いつにする?」

 即答で快諾して頂きました。
 有難いですけれど、いつにするって、早急すぎませんか?

「許可して頂きありがとうございます。ただ日時についてはこれから考えます」

 せっかちなレイ様にクスクスと笑いが漏れてしまいました。

「早めに決めておいた方が厨房の段取りもつくし、材料だって揃えることが出来るからね」

「確かにそれはそうですけれども。しばらくは忙しくてゆっくりとした時間は取れないと思うので」

「忙しい?」

「今、仕事が立て込んでおりますので、それがひと段落すれば大丈夫かと思います」