婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

 
 覚えていらっしゃったのね。

 頭の片隅にはあったけれど、次々と新事業を立ち上げたので、両親にはまだ話していませんでした。

「気にはなっていたのですけれど、そこまで行きつかなくて。申し訳ありません」

「別に謝らなくていいからね。池の造作には時間もお金もかかるし、万が一、気に入らなかった時の改装だって大変だからね。ゆっくりと考えたらいいんだよ。作ると決心した時には全面的に協力するから、それだけは覚えておいて」

「はい。ありがとうございます」

 強引に話を進められるかもと冷や冷やしていましたが、そんなことはなくて反対に気遣って頂きました。
 気がかりだったことが一つ解決して肩の荷が下りました。

 優しいレイ様。