なんとなく気づいてはいたのですが、邸では誰もこのことについて触れる者はいなかったので、気にしていませんでした。

 そういえば、やたらとお茶の時間が増えていたような気がするわ。仕事をしながらでもよいからと軽食を用意してくれていたことを思い出しました。口には出さなくてもみんな気にかけてくれていたのね。

「最近忙しくて動き回っていたから、そのせいかも……大丈夫よ」

 私の身を案じてか、エルザの顔が曇っています。
 痩せたのは忙しさのせい。

「エルザ。心配のし過ぎだわ。大丈夫よ。食事はとっているわ」

「余計なことを申しました。お許しください」

「そんな……私のことを心配してくれたのでしょう。気にかけてくれてありがたいわ」