重苦しい気持ちからそらすように、ディアナが明るい話題を振ってくれます。
いつまでもうじうじしていても始まらないわ。気持ちを浮上させてディアナの話につき合いました。渡り廊下を抜けると教室まであと少し。
二人であれやこれやと話に夢中になって気分が上向きになった矢先、向かい側に見知った顔を見つけてしまいました。
ビビアン様。
その顔を認めた途端に極度の緊張のためか、一瞬針が刺さったような痛さがぶわっと全身を襲いました。
立ち止まった私をディアナが怪訝そうに見つめ、視線の先にいる彼女を存在に気づきます。
そして、ビビアン様も、私に気づくと令嬢達とのおしゃべりを止めてまっすぐに歩いてきました。



