婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています



「ふふっ。潔いこと。さすが侯爵令嬢ですわ。そんなに悲観されずとも相応しい方は現れますわよ。立場さえ弁えれば。あら、随分と時間が経ったみたいね。わたくし、失礼させていただきますわ」

 席を立つとビビアン様は軽くカーテシーをして

「今日はとても楽しかったわ。また一緒にお茶を致しましょう? お代は心配なさらなくてもよろしいから、二人はゆっくりしてらっしゃってね」

 一方的に告げると店を出て行きました。

 傷物令嬢。
 心の中に刻まれた瑕疵。


「どなたもこなたもわたしが誰だか忘れているようね。わたしの親友と念を押したのに、おバカな人ね」

 涙をこらえている私の肩を抱きながらポツリと零したディアナ。
 
 
 これが後々の報復の火種になるとは思ってもいませんでした。