それに、お友達って私の事なのでしょうか?
まだ、会うのは二度目。
こんなに早くお友達認定をして頂いてよろしいのでしょうか?
お友達とおっしゃるわりには、言葉は辛辣ですが。
先ほどとは一転した優し気な表情にどう返事していいのか戸惑います。
扇子をあおぐ風に垂らした前髪が揺れる様が目に映ります。時折見える紅い口元が妖艶な弧を描いていました。
「そうですわよね。そういえば、ビビアン様の婚約者様はお決まりになったのかしら? わたしも友人として心配しておりますの」
優雅に扇いでいた扇子がピタッと止まりました。
ディアナを見遣るとスッと真顔になったビビアン様。
温度が一気に冷えて時間が止まったような気がしましたが、それも一時の事だったかもしれません。



