婚約を解消した令嬢の次なる婚約者って、そんなに興味をそそるものなのかしら? それとも、面白がっていらっしゃるの?
ビビアン様の言葉の真意を計りかねて、ディアナにちらりと視線を向けました。
私達の会話に耳を傾けているのかいないのか、聞こえてはいるとは思いますが、悠然とジャスミンティーを飲んでいます。
ディアナに気を取られている間にビビアン様は、大仰なくらい大きな溜息をつきました。
「そうよねぇ。さすがに無理かもしれないわね。なにしろ傷物ですものね。高位貴族であっても婚約を破棄されたとあっては、問題ありと見做されて良縁も望めないかもしれませんわね」
「……」
さっきまでとても穏やかな雰囲気だったのに、何か気に障ることでもあったのでしょうか?
それとも、ただの気まぐれ?
傷物。
自分ではわかっていても、他人から言われるとグサリと胸に突き刺さります。



