身分差を気にする貴族はいますから一概には言えませんが、婚約解消がうまくいった背景にはそんな理由もあるのかもしれません。
それを考えると私って、凄く幸運だったのかしら。
「……」
ビビアン様はなんとも微妙な顔をしています。
思わぬ見解だったのでしょう。
彼女を称賛して終わりかと思えばそういうことはなく、ディアナの中には見過ごしておけない確固たる気持ちがあったのかもしれません。
それが私の問題であることが申し訳ないのですけれど。
うまく説明できない私の代わりに親身になって助けてくれるディアナは、私にはもったいなくらいの親友です。
「ディアナの言うことも一理ありますわね。高位貴族に下位貴族が嫁いだりその逆も確かにありますわ。様々な事情があるのでしょうけれど」
ビビアン様も負けてない。
そして、あからさまに感情を露わにすることなく、しかも理性的に考えて否定することなどせずに、ディアナの言葉に同意する。二人共臆することなく堂々と意見を述べる。
さすがだわ。尊敬に値するわ。
なかなか思ったことを口にできない私とは大違い。



