「……あっ、あ。そう。そう、なのね」
しっかりと見据えた先のビビアン様は私の圧に押されたのか、気まずさにしどろもどろになりながら口元を扇子で隠しました。
「そういうことなので心配には及びませんわ。それに何度も同じようなことは起こらないでしょうから、心配ご無用でですわ」
「そう? だったらよいけれど……」
「お優しいのですね、ビビアン様は。公衆の面前であのような悲愴な場面は見たくないですものね。そのための先ほどの指南だったのでしょう。本当にビビアン様は慈悲深いわ。勉強になりました」
「そう、そうなのよ。わかっていただけて嬉しいわ」
ディアナの見事な解釈と称賛に、味方を得たと思ったのかパッと顔が明るくなったビビアン様はすっかりご満悦な様子。



