ほんの少し微笑みを湛えた彼女のテーブルの上は空になったケーキ皿とマグカップ。
早いわ。
いつの間に食べてしまったのかしら。
私の視線は自ずとディアナのお腹辺りにいってしまいます。ケーキと飲み物があの細いお腹に入ったのね。
すごいわ。
私なんて三個目に手を出すべきか躊躇しているというのに。
などと、横道に逸れた感慨に耽っていると
「なんですの? 何か言いたいことでもあるのかしら?」
眉をひそめた不穏なビビアン様の声に臆することなく言葉を紡いだのはディアナ。
「ええ。ビビアン様のお話はとても参考になりました。ありがとうございます」
ディアナは居住まいを正してビビアン様をまっすぐに見つめていました。
微かに弧を描いた唇、迷いのない瞳。凛とした姿が秀麗さを際立たせていて見惚れてしまったわ。



