「遠慮なくなんでも好きなものを頼んでよろしいわよ。ここはわたくしが持ちますから」

「いえ、そんなわけには、い」

「ありがとうございます。さすが公爵家のご令嬢、わたし達にまでお気遣い頂いて光栄ですわ」

 すかさずお礼を述べるディアナに遮られて次の言葉を失ってしまった私。
 学生の身ですから、金銭的な負担をかけるのはよくないと思ったのですけれど。

「ここは、一見ではなかなか入ることのできない美味しくて評判の最高級店ですものね。わたしも入るのは初めてだわ。ビビアン様、ありがとうございます」

 喜々とした笑みを浮かべてもう一度お礼を述べるディアナに、ビビアン様が満足そうに微笑みます。