えーと。お母様? それって私のことですよね。
私、塞ぎ込んでなんかいなかったと思いますけれど?
「……」
お母様の皮肉にショックを受けたのか、私の姿を見ていたエリザベス様の顔が俄かに曇ったのがわかりました。
返す言葉が見つからないのか、口を閉ざしてグラスを握りしめる様子に気の毒だとは思いましたが、大人同士の会話に口をはさむことも憚れて、ただエリザベス様を眺めているだけでした。
「……ごめんなさい」
しばらくの沈黙の後、エリザベス様がおそるおそる口にしたのは謝罪でした。
「何のことかしら? もうすべては済んだことよ。お互いに何のわだかまりもなく、速やかに終わったことですべて解決済みなのだから、全然気にすることはありませんわ。そうでしょう?」
私、塞ぎ込んでなんかいなかったと思いますけれど?
「……」
お母様の皮肉にショックを受けたのか、私の姿を見ていたエリザベス様の顔が俄かに曇ったのがわかりました。
返す言葉が見つからないのか、口を閉ざしてグラスを握りしめる様子に気の毒だとは思いましたが、大人同士の会話に口をはさむことも憚れて、ただエリザベス様を眺めているだけでした。
「……ごめんなさい」
しばらくの沈黙の後、エリザベス様がおそるおそる口にしたのは謝罪でした。
「何のことかしら? もうすべては済んだことよ。お互いに何のわだかまりもなく、速やかに終わったことですべて解決済みなのだから、全然気にすることはありませんわ。そうでしょう?」



