お母様の声に気が付いたエリザベス様は、ハッとしたように目線をあげました。
結い上げた金髪は陽の光の下で煌めいていていますし、ドレスも高級な生地で仕立て、アクセサリーも高価な一級品。
華やかな装いがなお一層、エリザベス様の美貌を引き立てています。
「こんにちは。お久しぶりね、シャロン様。お元気だったかしら?」
エリザベス様はまっすぐにお母様を見つめると、口の端をあげて笑みを作りました。
「ええ。あなたもお元気そうで何よりだわ」
お母様も笑顔で挨拶を交わしていますが、二人の間に見えない壁というか、張り詰めた空気が漂っているような気がします。



