『大地ー』 そのとき、大地のことをお母さんらしき人が呼んだ。 『あ…わり、俺そろそろ行かないと…』 「あ、うん。そうだよね。…ばいばい」 わたしは大地に手を振って、病室に向かいゆっくりと歩き出した。 『…加恋』 大地に名前を呼ばれ、振り返ると 『…またな』 ニコッと微笑んで言った大地の顔が…一瞬悲しそうに見えた。 .