わたしたちはとりあえず、病室に案内してもらった。 とても広いその部屋には、蓮1人だけがベッドで眠っていた。 こんなに広いところに…蓮は1人なんだ…。 『…では、わたしはこれで』 お医者さんは頭を下げると、病室から出ていった。 『…っ…蓮…』 お母さんが、蓮の手を握りながら涙を流した。 包帯で巻かれた頭に、傷だらけの腕。 “事故にあった”ということが、一瞬で分かってしまうくらいに…痛々しかった。 .