「…どうしてあなたたちが謝るの?」 わたしが尋ねると、 『俺たち…蓮に助けてもらったんです。車が突っ込んでくると分かった蓮は、自分が避けるより先に俺たちを…』 目に涙を溜めながらポツリと話す彼らを見ていたお母さんが… 『…あなたたちは、悪くないわ。きっと…蓮がしたくてしたことだから。…さぁ、今日はもう…帰りなさい。お家の方が心配するわ』 優しく微笑んで、そう言った。 『…はい…』 ポロッ…と涙を零した男の子は、頭を下げて帰っていった。 「ねぇお母さん…蓮、助かるよね…?」 .