『…あたしもまだ…好きなの…』 そっとタオルをとり、彼女は泣き顔で呟いた。 「…は…?」 まだ好き…って、俺を…? 『…加恋のことを好きになる気持ちは分かるよ…。でも、加恋には彼氏がいるじゃんっ…あたしは、綺山くんが好きなのに…なんで…加恋なの…?』 叫ぶように言葉を繋げる彼女を、俺はとりあえず落ち着かせる。 「西島…落ち着けって…」 頭をポンポン、と撫でると、少し落ち着いた。 「…ありがとな。俺のこと好きでいてくれて」 .