『先輩は…ズルいです。姉弟でもあって、恋人でもあるなんて…。どっちかにしたらどうなんですか!?』 …堪えきれなくなったのか、頬に涙を流し、切ない表情をしてそう言うと…姫川さんは屋上から出て行った。 誰もいなくなった屋上に、わたしだけがいる…。 爽やかな秋の風が、わたしの頬をかすめる。 ─ポタッ… 涙が、床に染みを作っていく…。 「ふえっ…」 立っていられなくなって、ペタン…と座り込んだ。 「ひっ…うぅー…」 .