わたしは慌てて隠れようとした。 でも、 ─バサッ… 肩が本棚に当たって、一冊の本が落ちてしまった。 その音に気づいたのか、足音が、こっちに近づいてくる。 わたしは膝を抱えてギュッと目を閉じた。 『…加恋…』 ─どうして、あなたが来るの…。 そっと顔を上げると、そこには…藍沢くんがいた。 .