『かれ…』 ─ガタンッ… あたしは柚来の言葉を遮るように立ち上がり、教室を飛び出した。 「も…やだぁ…」 今にも零れ落ちそうな涙を堪えて走り…着いた場所は。 「図書館…」 誰もいない、図書館だった。 静かな空間に、わたしの荒い息づかいだけが響く。 ここには…誰も来ないよね…。 .