『確かに…綺山くんのことは好きだったよ。告白して、フラれて。加恋が好きだってことも聞いたし…。でも、不思議とホッとしたんだよね』 ホッと…した…? 「なんで…」 『綺山くんの好きな人が、加恋でよかったなーって』 え…? 『あたし、加恋のいいとこ、いっぱい知ってるから』 そう言ってにっこり笑う柚来。 ポケットからハンカチを取り出し…わたしの涙を拭ってくれた。 『だから、キッパリ諦めることが出来ると思ったの』 .