「蛍、何も言わないってことは、肯定と受け取るけどいいよね?」

「いいよねっていうか、私がダメって言ってもついてくる気満々でしょ」

「よくご存知で。そういうわけだから、明日一緒に病院行こうね」

「うん⋯分かった⋯」

結局智明に敵うはずもなく、私はただ首を縦に振った。

1人で病院に行くのも心細かったからだけど、智明が一緒に来てくれるっていうのも意外だ。

明日は普通に仕事忙しいだろうし、迷惑かけちゃったかな。

「蛍、このことは誰かに言った?」

「まだ言ってないよ。安定期に入ったら言おうと思ってて⋯」

「じゃあ、俺も両親にはまだ黙ってた方がいいね」

「うん、お願いします」

安定期までは何があるか分からないし、万が一があった時のことを考えて、あまり期待させない方がいいよね。

それでも、お母さんには言っておいた方がいいのかなとか色々考えを巡らせる。

「とりあえず、明日の病院終わったらお義母さんにだけは報告してたら?」

「智明ってやっぱりエスパー?」

「蛍が考えていることは手に取るように分かるからね。エスパーでもなんでもないよ」

「そうですか⋯」

産婦人科なんて定期検診でしか行かないからドキドキするけど、智明が来てくれるなら安心だな。