智明には呆気なくバレちゃったけど、一緒に喜んでくれて一安心だ。

堕ろしてくれとか、出て行けとか言われたらどうしようと思ってたし。

まぁ、そう言われても私は多分1人で育てるけどね。

せっかく私たちのところに来てくれたんだもん、大切にしたいじゃん。

「蛍、身体しんどいでしょ。少し横になって休みな」

「ううん、さっき寝たから平気だよ。智明のご飯作らなきゃ」

「俺のご飯はいいから、少し寝てな。明日休みとるから、一緒に病院に行こう」

「私は明日もお休みだから、1人で行くよ。智明は、通常通りお仕事行って」

「何言ってんの、一緒に行くよ」

「本当に大丈夫だよ。まだつわりも本格的に始まったわけじゃないし」

私がそう言っても、智明は不服そうな顔をするだけで。

「俺も行っちゃダメ? ちゃんとここにいるんだって、俺も一緒に行ってこの目で見たい」

すごく真剣な、だけどつぶらな瞳で見つめられて、私は頭を悩ませる。

最近の智明は、私がつぶらな瞳で見つめられるのが弱いと知ったらしく、私にお願い事をする時は決まってそれをやってくる。

私は私でダメだとはっきり言えればいいんだけど、普段(私以外の人の前)はクールな彼のそんな瞳を見たら、強く言えないのだ。

それを分かっててやってくるから、何とも憎たらしい。うん。