「あの、高峰さん」

「どうしたの?」

「キッチンからものすごい音がしたので、来たんですけど⋯」

「あぁ、これは気にしないで。ちょっと爆発しただけだから」

ちょっと爆発ってなんだ?

結構派手に汚してるし、片付け大変そうだけど。

「片付け手伝いますか?」

「悪い、頼むわ。ちょっと大変かもしれないけど⋯」

「それは大丈夫です」

もしかして高峰さん、料理苦手だったのかな?

それなのに任せちゃって、私もやっぱり何か手伝えば良かったよね。

「蛍さん、悪いけど今夜は出前でいい?」

「材料あれば何か作りますよ」

「今の爆発で冷蔵庫の材料使い切っちゃって。買い物行かなきゃ材料ないんだよ」

「じゃあ、私買い物行ってきますよ」

「行かせるわけないでしょ。そのまま逃げようって魂胆見え見えだよ」

「そんなことしませんよ。安心してください」

「俺のこと騙そうとしたって無駄だよ? ていうか、逃げ切れると思ってるの?」

高峰さん、あからさまにキャラ変わった⋯?

一人称も"僕"から"俺"になってるし、ちょっとSっぽくなったっていうか、なんていうか。

「蛍、聞いてる?」

「え、あ、なんですか?」

「買い物は明日一緒に行こう。それでいいよね?」

「は、はい⋯」

あれ、雰囲気戻ってるしさっきのは私の勘違いなの?