「はぁ、具合悪い⋯」

「ちょっと蛍、顔真っ青だよ? 体調悪いんじゃない?」

「実はそうなんだよね⋯」

ある日、仕事をしながら、同じ事務員で幼馴染の高橋佳奈(たかはしかな)にそう言われ、私は鏡で自分の顔を見た。

目の下にはすごい隈があって、心なしか頬も痩けて見える。

ここ数日、智明は出張に行ってて会ってないのが不幸中の幸いだ。

だって、こんな顔見られたら絶対何か言われるに決まってるもん。

「いつから体調悪いの?」

「いつからだろう、もう結構経つかも」

「熱とかはないの?」

「ずーっと微熱なんだよねぇ⋯」

「社長に言って、今日は早く帰って休みな。蛍が倒れたりしたら、智明さん血相変えて飛んでくるわよ」

「ないない、智明出張中だし」

「そういうことじゃないんだけどね⋯」

佳奈が言う通り、このまま仕事を続けても体調悪化しそうな感じだし、お父さんに言って早く帰らせてもらおう。

時計を見ると、微妙な時間だったのでダラダラしながら少しだけ仕事を片付け、許可を貰って帰宅した。

それにしても、最近身体がだるくて仕方ない。

おまけに食欲もないし、何をするにしても気力が湧かないから、ただ何となく毎日を過ごしてる感じだ。

微熱とか吐き気とか、あとなんかめっちゃ眠いし、私の身体おかしくなったのかも。

そんなことをぼんやり考えながら家に着き、私はそのままベッドに横になった。