「そういうわけだから、よろしくね蛍」

「え、起きてたの!?」

「俺が起きてたことに気が付かないとでも思った? 割と序盤から気づいてたよ」

「いや普通にびっくりした。気づいてるなら言ってよ」

「言わない方が面白いかなって。蛍の話したのも、起きてたって分かってたからだよ」

そう言ってニヤニヤ笑う智明に何となく敗北した感じがして、悔しかった。

すっかり酔いも覚めた私は、カクテルじゃなくて烏龍茶を頼み、話に参加する。

2人もかなりグラスを空けてるみたいだけど全然酔ってないみたいで、2人とも相変わらず強いんだなと思う。

智明がお酒に強いのは知っていたが、光明くんも強いと知った時は普通にびっくりした。

「蛍はもうカクテルはいいの?」

「うん、また潰れてもやだしやめておく。光明くんは結構飲んでるみたいだね」

「まぁね。兄さんには敵わないけど」

それはそうですね、はい。

だってめっちゃ飲んでるのに顔色ひとつ変えずに、いつも通り私たちと話してるし。

なんでそんな強いの?って感じだし。

「光明、蛍との距離近い」

「えー、そんなことないよ。普通じゃない?」

「全然普通じゃない。もう少し離れろ」

「兄さん、独占欲が強い男は嫌われるよ」

光明くん、もう智明を煽るのやめて。

私が色々大変になるから。うん。