「え、話し合いは?」

「もういいよ、話し合いは。もう蛍逃げられないしね?」

「逃げるに決まってるでしょ」

「無理無理、俺の力に適わないの知ってるでしょ」

たしかに、私は智明の力に敵わない。

だけど、私の言い分も聞いて欲しいんだよ。

「この件に関しても言いたいことあるんですけど」

「どうした?」

「毎日スると腰痛いし、身体中バキバキになるから2日に1回にしてくれませんかね?」

「いいよって言うと思った?」

「思わなかった⋯けど、お願い!」

「やだよ。蛍は俺とスるの嫌?」

「嫌じゃないよ。むしろ、私もシたいけど⋯腰痛くて家事できないんだもん」

私がそう言うと、またもや智明は真剣な顔で何か考え始めて。

多分ろくなこと考えてないけど、とりあえず話は聞こう。

「家政婦雇おっか」

「智明、酔ってる?」

「シラフだけど? その方が蛍の負担減らせるかなって思って」

「その気持ちは有難いんだけど、下心が見え隠れしてるっていうか。それに、私だけで家事やっていけてるし」

「下心なんてないよ。その方が、蛍も自分の時間作れるかなって思って」

智明はそう言うけど、下心丸出しなのバレてるからね。

家政婦さん雇えば毎日シても大丈夫っていう訳じゃないんだから。