「この服私には若すぎるかしら」

「いえ、とてもお似合いです。お義母さまはどのドレスも美しく着こなしていて、すごいです」

「あら、ありがとう。そんなこと言われたの久しぶりだわ」

私の言葉に、お義母さまは嬉しそうに笑った。

いつも思うけど、お義母さまの笑顔は美しくて可愛らしい。

私もこのくらい上品になりたいな。

「蛍さんは智明と買い物に行ったりしないの?」

「たまに行ったりはするんですけど、智明はお仕事が忙しそうなのであまり」

「ガンガン誘っちゃっていいのよ。智明は誰に似たのか体力だけはあるから」

「あのですね、お義母さま。これ、智明は内緒にしていると思うんですけど、新婚旅行でバテバテだったんですよ」

「あの子も歳を取ったのね。蛍さんと光明についていけなくてへばってたなんて」

「私から聞いたこと、智明には内緒にしてくださいね」

「えぇ、もちろんよ。内緒にしておくわ」

新婚旅行でバテバテだったなんて、智明からしたら一生秘密にしておきたいはずだ。

その秘密をお義母さまにバラしたのが私だとバレたら、確実にお説教をされるに決まってる。

「さて、次のお店に行きましょ!」

「はい!」

私たちはそれぞれドレスを買い、次のお店に向かった。