「蛍さん、今日は無理言ってごめんなさいね」

「いえ、私もお義母さまとのショッピング楽しみにしていたので、誘って頂けて嬉しいです」

今日はお義母さまと2人でショッピング。

智明は仕事だから、楽しんでおいでって見送ってもらった。

「とりあえずあそこのカフェでお茶しながら、どこから回るか考えましょ」

「はい、分かりました」

お義母さまの行きつけだというカフェに入ると、とてもオシャレな雰囲気で少し緊張してきた。

私もカフェ巡りとかは好きだけど、こんなにオシャレなカフェは初めてだ。

「何頼む?」

「どれも美味しそうで迷ってしまって⋯」

「私のオススメはね、ガトーショコラとアップルティーなの。ここに来たら必ず注文するわ」

「それじゃあ私は、お義母さまのオススメにします」

「ぜひ頼んでみて。絶対損はしないから」

そう言うと、お義母さまは慣れた様子で注文を済ませた。

改めて店内を見渡すと、とても凝った内装になっていた。

お客さんもみんなオシャレで、私は場違いじゃないかとヒヤヒヤする。

「私ね、最近オープンした服屋さんに行きたいの。今度のパーティ用のドレスが欲しくて」

「私もパーティ用のドレスを新調しようと思っていたので、ちょうど良かったです」

「じゃあ、決まりね!」

一番最初に向かう場所を決め、私は運ばれてきたガトーショコラとアップルティーを堪能した。