「東京まで長かった〜⋯」

「でも寝てたからあっという間だったな」

「兄さんと蛍はこのまま実家に寄るの?」

「寄ってから帰る。お土産腐っても困るしな」

「じゃあ僕も一緒に実家行こっかな。1人で行って怒られんのやだし」

「光明くん、何か怒られるようなことしたの?」

「さてはお前、出張終わったらすぐ帰りますとか父さんに言ったんだろ」

「ご名答。だから、いつまで油を売ってるんだって怒られそうじゃん?」

話を聞けばその連絡のあと追って連絡もしてないらしく、お義父さまはかなりご立腹だろうという高峰兄弟の予想。

この兄弟の予想はそれなりに当たるから、あながち間違ってはないかも。

「ただいま。あれ、母さんだけ?」

「おかえりなさい。蛍さん、新婚旅行は楽しかった?」

「はい、とても楽しかったです。これ、少しですがお土産です」

「わざわざありがとうね! それで、なんで光明も一緒にいるの?」

「こいつ、新婚旅行ずっとついてきたんだよ。ドイツで合流した」

「あらそうなの。あんまりお父さんに心配かけるんじゃないわよ。蛍さん、ティータイムにしましょう」

「えぇ、ぜひ」

お義母さまに促され、私は椅子に座った。