「はぁ〜⋯身に沁みる⋯」

「ココアがこんなに美味しく感じられる日が来るとは⋯」

「たしかに、温かい飲み物は身に沁みるな」

「智明は相変わらずのブラックコーヒーだね」

「俺はこれが好きだからいいの」

人の飲み物に口を出す気はないですけど。

でも、寒い日に飲むココアが最高だってことを智明にも知ってもらいたいな。

「蛍、ココア飲んだら風呂入るぞ」

「だね、明日からゆっくり回ろっか」

「2人とも一緒に風呂入ってるの?」

「当たり前だろ。光明は1人で入れよ」

「僕1人で風呂に入れないから、蛍と入りたいな〜」

「何言ってんだ、お前。ダメに決まってんだろ」

「なら、3人で入る?」

私がそう言うと、智明と光明は目を見開いて固まってしまった。

さっきエレベーターでチラッと混浴ありますっていう貼り紙みたから、それのこと言ったんだけど?

「蛍、3人じゃなくて僕と2人で入ろう。今日くらい譲ってくれてもいいよね、兄さん」

「蛍は俺の奥さんだから、俺が一緒に入るに決まってんだろ。俺以外の男と風呂に入らせる気はねぇ」

「2人共、エレベーターの貼り紙見てないの?」

「なんのことだ?」

「ここのホテル、混浴あるらしいよ」

そう言うとまたまた固まってしまった2人。

そっくりな顔の2人が同じ表情で固まってると、なんか面白いな。