次の日、私と智明は式場選びやら何やらに追われていた。

本当なら昨日のうちに終わらせたかったらしいんだけど、予定を詰め込むのも大変かなってことで今日になった。

「智明、こっちのドレスとこっちのドレスどっちがいいと思う?」

「どっちも着たらいいんじゃない?」

「え、どっちかでいいよ」

「じゃあ俺は選べないよ。どっち着ても似合うだろうし」

すごい真面目な顔でそう言われたけど、私も正直選べない。

かと言って無駄にお金かけるのもあれだし、選ばなきゃだよね。

「金のことなら心配しなくていい。蛍が着たいのを選びな」

「智明は、タキシード決まったの?」

「とっくに決まったよ。俺のはどうでもいい。蛍が主役なんだから」

そうは言っても、結婚式を挙げるのは智明もなんだからどんなタキシード着るのか気になる。

「俺のタキシード見る?」

「やっぱり智明エスパーでしょ」

「違うよ。不満そうな顔してたから」

私ってそんなに顔に出やすいかな?

それか本当に智明がエスパー⋯?

「高峰様、ドレス決まりましたか?」

「いえ、まだ悩んでいて⋯」

「先程ご試着された時にお写真撮っていましたよね? そちらのお写真も参考に選ばれてはいかがですか?」

「そうします!」

そうだよ、その手があった。

写真見れば着た時のイメージ湧くよね。