婚約破棄を希望していたのに、彼を愛してしまいました。

中村さんは警察に捕まり、誘拐や監禁など様々な罪に問われたと智明から聞いた。

警察に捕まったからといって許せるわけではないが、しばらくは安心して生活できそうだ。

「明将、公園行こっか。パパも来れるみたいだし」

「こうえん!」

最近明将は公園で遊ぶことを覚え、定期的に連れて行っては砂場で1人遊びをしている。

人見知りが激しいのか、他の子たちが来るとすぐに私のところに戻ってくるが、いつかお友達もできるといいなと思っている。

「明将、転ばないようにね」

「あ、ぱぱぁ!」

「ただいま。来るの遅くなってごめんな」

「おかえりなさい、仕事終わりに公園なんて大変だったんじゃない?」

「何も大変じゃないよ。蛍だって、家事しながら育児頑張ってるじゃん」

「そういうところだよほんと…」

智明はなんちゃってイクメンではなく、ちゃんとしたイクメンだと思う。

私が家事と育児に疲れて寝てても起こさないし、なんなら目が覚める頃には家事全部終わってるし、明将と遊んでくれてるし。

何より、さっきみたいに日頃の私の頑張りを沢山褒めてくれる。

智明の方が絶対忙しいし疲れてるはずなのに、そうやって私を支えてくれるから、私も明将もいつも笑顔でいられる。

私も智明のお手伝いしたりとか、いっぱい褒めたりしたいなぁなんて思うけど、今の私がそんなことしたら、邪魔になりそうだし。

日々モヤモヤする毎日だ。