明将を連れて病院に行くと、お義母さまの姿があった。

「蛍さん! 明将も無事でよかった…」

「お義母さま、ご心配をおかけしました。私がきちんと見ていなかったせいで…」

「あなたが自分を責める必要はないわ。もちろん、智明と光明もね。だから、まずは明将をきちんと診てもらいましょう」

「はい…ありがとうございます…!」

お義母さまの温かい言葉に、思わず涙が出そうになるのをグッと堪える。

自分のせいで誘拐されたと自分を追い詰めていた私にとって、今のお義母さまの言葉は心に沁みた。

「特に問題はないですね。縛られた跡は…少しずつ薄くなると思います。痛がるようでしたら、この軟膏を塗ってください」

「ありがとうございました」

医師によれば、縛られた跡も時間こそかかるがそのうち消えるらしく、私もお義母さまもホッとした。

あの跡が一生残るとしたら、私は明将に謝っても謝りきれないと思うから。

「ままぁ、ぺこぺこ!」

「じゃあ何か食べよっか。私の母もまもなく着くと思うので、そしたらお義母さまも一緒にどうですか?」

「ぜひ御一緒させて頂くわ。ありがとう」

明将にそう言われるまですっかり忘れていたが、私もお腹が減ってきた。

何か食べて、きちんとこの事件の解決に向かわなきゃ。

腹が減っては戦ができぬっていうしね。